失敗しない便秘薬選びのための便秘解消講座 失敗しない便秘薬選びのための便秘解消講座

女性(妊娠中)の
便秘について

妊娠中から出産後6~8週間の産じょく期は、女性の体内で大量に分泌される黄体ホルモンの作用や、大きくなった子宮の影響で腸管が圧迫されるため、妊娠中の女性の約半数が便秘になると言われています。便秘は機能性便秘器質性便秘に分類されますが、妊婦の場合は、そのほとんどが機能性便秘である弛緩性便秘にあたります。生活習慣や食事、ストレスなども便秘の原因となるので、注意が必要です。
妊娠中の子宮で腸管が圧迫されているイメージ画像 妊娠中の子宮で腸管が圧迫されているイメージ画像

治療について

便秘を放置すると直腸に便が溜まり、血管を圧迫してしまうなど、別の症状を誘発する可能性があるので、なるべく速やかに治療を行う必要があります。
治療法としては、生活習慣の改善や食事療法、ストレスを軽減するなどが有効です。それでも便秘が改善されない場合には、便秘薬による薬物療法を行います。妊娠中でも使える便秘薬はいくつかありますが、種類によっては胎児に悪影響を及ぼすものもあるので、自己判断で使用せず、まずは産婦人科医に相談しましょう。
病院の画像 病院の画像

生活習慣の改善

さまざまな理由からストレスを感じる妊婦は多いでしょう。しかし、ストレスを溜めると自律神経が乱れ、腸の動きが鈍くなり便秘に発展してしまいます。そこで、毎日行えてストレスになりにくい、簡単にできる生活習慣の改善法をご紹介します。
まずは、入浴について。シャワーで済ませるのではなく、バスタブのお湯にじっくり浸かりましょう。体が冷えていると腸の動きが鈍くなるので、お湯に浸かって体を温め、腸の動きを活発にさせてください。また、早めに寝ることも重要です。腸の動きと深く関係している副交感神経は、体がリラックスしている時に働きます。夜22時~深夜2時の間に最も活性化するので、早めに就寝し、腸の動きを手助けしましょう。
バスタブのイメージ画像 バスタブのイメージ画像

食事療法

産後、特に授乳中の女性は、1日600mlから800mlの水分が母乳として排出されます。そのため、体内の水分量が減り、水分不足になってしまう人が多いのです。成人男女が1日に摂取する水分量は1.5L~2L程度と推奨されていますが、授乳中の女性の場合は、母乳分を考慮した3L~4L程度の水分を取ることが望ましいでしょう。
また、食物繊維の多い食事を意識して摂取することも便秘改善の一手です。中でも、妊娠中のオススメ食材にもなっている、わかめや昆布などの海藻類やこんにゃくは便秘解消にも効果があります。食物繊維はもちろん、ビタミンやミネラルも豊富な栄養価の高い食材なので積極的に摂取しましょう。
授乳中の女性が摂取することが望ましい水分量のイメージ画像 授乳中の女性が摂取することが望ましい水分量のイメージ画像

ストレスの軽減

妊娠・出産によってホルモンバランスが急激に変化することや、赤ちゃんの夜泣き、さらには夜中の授乳による寝不足など、妊娠中や授乳中にはストレスの原因がたくさん潜んでいます。ストレスは蓄積すると便秘を引き起こす原因にもなってしまうので、なるべくストレスを溜めないように意識することが大切です。
配偶者に気持ちを吐露したり、美味しいものを食べたり、ショッピングを楽しんだりと、自身のストレス解消法を試してみましょう。それでも改善しない場合には、1日20分の散歩を毎日続ける、軽い運動もオススメです。歩くことで気持ちを落ち着かせるドーパミンなどのホルモンが分泌されるので、イライラとした気分も吹き飛ぶでしょう。妊娠中や産後の女性には激しい運動は禁物ですが、運動によって腸を動かすことは便秘解消にも効果があります。リフレッシュがてら、試してみてはいかがでしょうか。

薬物療法

生活習慣や食事の改善、運動療法でも便秘が解消されない場合に下剤を服用しますが、医療機関では酸化マグネシウムなどの塩類下剤から治療を開始します。なぜなら、酸化マグネシウムは体内にほとんど吸収されず、効き目が穏やかでクセになりにくく、長期での服用が可能という特徴があるためです。ただし、妊婦が下剤を大量に服用すると、子宮の収縮を誘発する恐れがあるので、用量に気をつけてください。通常の使用量であれば安全です。酸化マグネシウムなどの塩類下剤で効果がみられない時には、プルゼニドやラキソベロンといった、さらに強力な刺激性下剤を用います。しかし、これらの下剤は作用が強力である反面、クセになりやすく、大量に服用することで子宮の収縮を誘発し、流早産の危険性があるため注意が必要です。